第5節 ポイントデータの制作3

EXTを作ってみよう

【概要】

 実際にXACを使ってEXT(殲滅任務)のミッションを作る。

 

【内容】

 第3節を一度はしっかり読む努力をしてくれたと信じて、実際にポイントデータファイルの制作にいよいよ入ろうと思う。長々とイベントだの何だの書いておいて大変恐縮ではあるのだが、まずはミッションの超基本、EXTから作ろうと思う。

 

 第4節で述べたように、EXTはXOPSの"複数のチーム番号の人がいなければミッション成功扱いになる"という性質を利用する。つまり、面倒なイベントはまだ考える必要はない。EXTというのは、"(プレーヤー以外のチーム番号の人=敵)を殲滅する"というのがその本質である。

 

 では、実際に作業を始めよう。第1節でダウンロードしてもらったXOPSの"addon"のフォルダをエクスプローラーで開く。当然ダウンロードしたてのXOPSなので何もフォルダなどはない。ではそこに、"01"というフォルダを新しく作ろう。

 

 次にXACを起動する。"addon"フォルダと同じディレクトリ(場所)に、"data"というフォルダがあるはずだ。そのフォルダを開くと中にはたくさんのフォルダやファイルが入っている。漁ってもいいがデータを抜いたり消したりしてはいけない。この"data"に入っているデータは全てデフォルトミッションのデータだ。次に"map1"というフォルダを開くと、何やら画像やらファイルやらがたくさん入っている。そう、これは"BUILDING"のマップのデータだ。このフォルダの中に"temp.bd1"というファイルがあるはずだ。".bd1"という拡張子からもわかるように、これはブロックデータファイル、すなわちマップだ。これをXACにドラッグ&ドロップするとBUILDINGのマップが実際に読み込まれる。

 

 以下XACの簡単な紹介です。ある程度XACの操作に慣れている方は次の★印まで読み飛ばして構いません。僭越ながら一度XACについて軽く紹介させていただきます。

 XACとは第1節で触れたように、mikan氏が開発したブロックエディタとポイントエディタが合体した、"統合制作環境"と呼ばれる優れものです。右にある"編集モード"を切り替えることでブロックエディタにもポイントエディタにもなるわけですね。もう一度言います。本当に便利です。私もアドオン制作で必ず使うソフトウェアです。ただ、視点操作などの基本操作は慣れなければ少し難しく感じるかもしれません。画面が4つあり、右上がプレビュー、左上が上から見た図、左下と右下が横から見た図です。詳しくはこちらのツイートをご覧ください。右上の視点操作方法は、マウスホイールをクリックしながらで視点の前後左右移動、マウスホイールを回転で視点の上下移動、左クリックで視点の角度が変わります。また、右上以外の三面ではマウスホイールの回転で倍率変更、マウスホイールを押しながらで二次元移動です。操作については使い込んで慣れるしかありませんので頑張ってください。

 

 では、XACの編集モードを"ポイント編集モード"に切り替えてみよう。切り替えたらまずは、pd1ファイルを作らなくてはならない。"ファイル"タブから、"PD1を名前を付けて保存"を選び、"addon"フォルダの中の先ほど作った"01"のフォルダの中に"01.pd1"というファイル名で保存しておいてほしい。次からは上書き保存すればこのデータに上書きされる仕組みだ。また、作業を中断してXACを一度閉じた場合、次に作業を再開するときは"01.pd1"とBUILDINGのブロックデータの両方を必ず読み込む必要がある。

 

 では、いよいよ初めてのポイントを配置してみよう。人情報のポイントの位置と向きは意味を持たないので、適当な場所でよい。ただし見やすいようにマップの外側にまとめて配置しておくのがセオリーだ。並べて高さも整理すると後々見やすいはずだ。XACでは右上の画面以外のどこの画面からでもポイントの配置はできる。好きな場所で右クリックをして、一番上の"新規ポイント配置"を選んでみよう。すると、"ポイントダイアログ"という小さなウィンドウが開いたはずだ。

[A]の値はAキーとZキーで、

[B]の値はSキーとXキーで、

[C]の値はDキーとCキーで、

[D]の値はFキーとVキーで調整できる。

 まずは、プレーヤーの人情報を決めよう。慣れてきたら人でも武器でもパスでもイベントでも好きな順にポイントを配置してくれて構わないが、まだチュートリアルみたいなものだと思って筆者の指示に従ってほしい。ちなみにポイントを配置する順番は一部の特殊な場合を除き自由だ。

 

 では実際に人情報を作ってみよう。人情報は[A]=4だ。今回のプレーヤーは黒い特殊部隊員にしてみよう。[B]=0,[C]=1,[D]=-10とする。うまく入力できたら、"新規配置"を押す。すると青いポイントが一つできたはずだ。これが人情報のポイントだ。

 次に、敵の人情報を作ろう。敵は緑の戦闘服の男にしよう。もう一度右クリックをして、"新規ポイント配置"を選択し、[A]=4,[B]=3,[C]=2,[D]=-11とする。[C]の値はプレーヤーのチーム番号の値と異なれば何でもよい。

 

 では次に、いよいよプレーヤーの配置だ。[A]=1,[B]=-10,[C]=0,[D]=0とする。このポイントは人のポイントなので、ポイントの位置は三次元的に意味を持つ。右上の画面や他の三面も利用して、一階の階段あたりにポイントの位置をうまく調整しよう。また、ポイントを選択した状態であれば左右の矢印でポイントの回転ができるので、プレーヤーの向きを好きに決めよう。

 

 プレーヤーの配置ができたら、次に敵の配置だ。一階の広場、プレーヤーの正面に敵を一人配置してみよう。まずは敵そのものを配置しなくてはならない。[A]=1,[B]=-11,[C]=10,[D]=-1とする。これは識別番号-11の人情報を持ち、最初は識別番号10のパス(これから作る)に従う人、という意味だ。もう一度全ての画面を駆使して上手くプレーヤーの正面にこの敵を配置してみよう。

 

 ここで以前触れた識別番号を簡略化するコツを紹介しよう。イベントポイントやパスの識別番号が重複してしまうのは御法度だが、人や武器、小物などで特に死亡待ちや破壊待ちのイベントを組み込む予定のないポイント、つまり"モブ"とでも呼ぶべき存在は、識別番号を何かしらの値に統一してしまう方が楽だろう。nine-two氏"XOPS-TOOLS"に付属するマニュアルで所謂"モブ"の敵や武器の識別番号を-1に統一するように勧めている。私もその勧めに従い-1で統一している。今回のEXTでも、人の死亡待ちのイベントを組み込むことはしないので、敵の識別番号は何かの値に統一してしまっても問題ないということだ。というわけで今回は敵の識別番号の値は基本的に-1とするが、その都度入れるべき値を提示するので安心してほしい。

 

 では、次に敵のパスを組んでやろう。先ほど配置した敵は、[C]=10とした。すなわち、識別番号10のパスに最初に従うわけだ。ここはオーソドックスに待機のパスを付けてやろう。[A]=3,[B]=2,[C]=10,[D]=10とする。このポイントを配置すると、細い黄色い線で先ほどの敵とこのパスが結ばれたはずだ。これはXACの機能で、配置した人がどのパスに最初に従うのかわかりやすく示してくれているのだ。何度か触れているが、待機パスにおいて上下という鉛直方向の意味はない。左上の画面を見て、先ほど配置した敵と待機パスが重なるように配置してほしい。ちなみにこのようなパスはマップの下方か上方にまとめておくと後から見やすい。

 

 では、ここで一度このミッションをテストプレイできるようにしよう。ミッションを読み込むためにはミッションインフォメーションファイルが必要だ。第1節でダウンロードした"MIFエディタ"を起動する。ミッション識別名に"BUILDING_EXT"、ミッション正式名称に"BUILDING extermination"とでも入れておこう。名前は適当で構わない。次にブロックデータファイルとポイントデータファイルの場所を決める。実行ファイル(xops097ft.exe)からの相対パスで示す必要があるので、今回の場合ではブロックデータファイルのパスは

.\data\map1\temp.bd1

ポイントデータファイルのパスは

.\addon\01\01.pd1

とする。空(背景)は好きに決めてくれて構わない。ちなみに外部が見えない屋内マップであれば"なし(黒)"を選択するのが通例だ。"画像1"には

.\data\briefing\map1.bmp

と入れよう。"画像2"や"追加小物"、"追加判定"、"画面を暗く"などの設定は必要ない。ブリーフィング文章には好きなことを書いてくれて構わない。もう一度内容を確認して、ミッションインフォメーションファイルを保存する。保存したミッションインフォメーションファイルの名前は何でもよいが、ここでは"01.mif"としておく。このミッションインフォメーションファイルがあって初めてアドオンとして読み込むことができるのだ。このミッションインフォメーションファイルは必ず"addon"のフォルダの中に入れなくてはならない。"addon"の中の別なフォルダに入れたりしてもXOPSは読み込んでくれない。

 

 では"xops097ft.exe"を起動してみよう。アドオン一覧に、先ほど付けた名前(BUILDING_EXT)のミッションがあるはずだ。このミッションを実行してみよう。この時点で何かしらのエラーが出る場合はミッションインフォメーションファイルのパスが間違っているのでもう一度確認してみよう。マップが表示され、ファイルが一通り読み込まれた後に

不具合がある場合(すぐにミッション成功になってしまうなど)は、ポイントデータファイルに間違いがあるはずだ。上手く実行できれば、開始直後に目の前の敵と交戦する羽目になるわけだ。倒せたらそれでミッション成功になるだろう。ここまでで問題なければ、さらに自分で敵の数を増やしてみよう。待機だけでなく、歩きや走りのパスも入れるとなおいい。

 

 ここからは各自での試行錯誤がどうしても必要になる。自分の納得のいくEXTを作ることを期待する。なお、次の節ではここで自作したミッションを利用するので、プレーヤーの開始位置は1階のままにしておいてほしい(1階であればどこでも構わない)。また、-100から-128までの識別番号は次の節で使用するので使わないようにしてほしい。なお、今回作業した、実際にポイントを作る場面はYouTubeにて動画を配信しておいたので、もし何かわからなければそちらを参考にしてほしい。動画はこのページの下部に埋め込んである。

 

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2023/12/25 00:00

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