OpenXOPS_yosi-mikan_Concept Vol.07 制作秘話

2021/08/07 執筆開始

2021/09/24 公開      

OpenXOPS_yosi-mikan_Concept Vol.07 プロモーション画像

 

●はじめに

 こんにちは、yosiです。今回の制作秘話は制作と同時並行で進めたので、ちょっとあっさりしているかもしれないです。全て制作順で書いてあるので、話に脈絡がありません(話に脈絡がないのはいつものことですが)。画像も少なめです。毎度のことながら、ネタバレ全開で書きますので個人的にはそれぞれのミッションを一度は攻略してから読んでいただけると嬉しいかもしれないです。

 Vol.07のアドオン側の主なアップデート内容は以下の通りです。

 

・"RURAL_DE"でパラシュートを使うとプレイヤーが即死する不具合を修正

・OFFICE3開発

・MP5KA4のマガジンが全てショートマガジンになっていた不具合を修正(私のミス)

・RURAL3開発

・階段テクスチャの上下の向きを全て修正

・URBAN2開発

・追加音声のwavファイルを全て支障がない程度に軽量化(パッケージ容量2.3MB程度削減)

・"M39 HP NBB SD"を既存のミッション3つに導入

・その他、既存のミッションの細かな調整5点

 

 実行ファイル側の解説については、もしかしたらみかんさんが何かしら解説記事を執筆してくださるかもしれないです。追記:執筆してくださいました!記事はこちらです。

 

OpenXOPS_yosi-mikan_Concept Vol.07 PV

 

ミッションリスト

 

URBAN2_CAP #BYFOX セルフ攻略動画

 

OFFICE3_CAP セルフ攻略動画

 

●OFFICE3_KT

 リハビリに作った新しいマップです。ちょっとテーマがSATさんで作ったHUGE URBANと被ってしまったかもしれません。

 エレベータが2つあり、その中に敵がいるのを除けば何の変哲もないKTです。エレベータの中に敵がいるというのをやってみたかったので作りました。

 

●OFFICE3_EXT

 実際の中身はDEFのミッションです。ただ、ミッション種別をDEFにしてしまうとネタバレ(特に社長と交渉が決裂するわけではない)になってしまうのでEXTとしています。

 窓の外から狙撃されるというのが以前からずっとやりたかったのを思い出したので作ってみました。それこそWAREHOUSE2の頃から脳内には構想があったような覚えがあります。まさに「窓の外だ!」って感じですね。冗談抜きで攻殻で一番有名なシーンじゃないでしょうか?カウンタースナイプを楽しめるのも見どころです。現実ではスナイパーに狙撃された後に、狙撃されたという事実を把握するのに、3秒くらいタイムラグが生じるらしいですね。

 飛んでくる弾丸は追加小物として読み込んでいて、当初敵スナイパーが持っていた武器はPSG1だったのでその弾速を元に窓を破ってから社長に着弾するまでの時間をわざわざ計算して作り込んだのですが、画面の暗転中にka.wav以外の銃声を鳴らすとガラスが割れた後のカットでももう一度銃声を鳴らさなくてはいけないことに気づいて演出がしつこくなると感じたのでサイレンサー付の銃を持たせました。開発中はPSG1 SDを持たせたこともあったのですが、折角なので前述の東側の消音ARを持った部隊を突入させたくなってSTからAS VALを引っ張ってきました。VSSとかもサイレンサーが固定の東側の銃ですけど、サイレンサー固定の東側のARを持った部隊が突っ込んでくるのもロマンがあっていいですね。

 本当は結構難しいミッションだったのですが、難易度を低下を図って木箱2つを遮蔽物として設置したことで難易度がかなり下がったように思います。

 

●OFFICE3_CAP

 色々な攻略方法が楽しめるように作りました。具体的には以下の6通りほど攻略方法があります;

 

・屋外のビル屋上から狙撃によりケースの乗っている床のガラスを狙撃して

 地下にケースを落として回収

・先に地下のケース落下予想地点まで移動して下から床のガラスを壊す(PVのやつ)

・屋内に侵入してケースの乗っている床のガラスを壊して

 ケースと一緒に地下に落ちてケースを回収

・屋内に侵入して1Fからグレネードをケースの方に投げて床のガラスを破壊、

 1Fの通気口から地下に落ちてケースを回収

・ケースを普通に回収してスモグレを投げてわざわざ2Fから

 1Fに飛び降りて飛び降りる最中に1Fの床のガラスを破壊して

 一気に地下まで落ちてケースを回収

・泥臭く最初から最後まで愚直に交戦してケースを回収

 

 5つ目の攻略方法を使うと、攻殻ARISEで素子がやっていた走りながらガラスを破壊して離脱するのを真似できます。あれ自体が「窓の外だ!」のパロディなんでしょうけど。

 床のガラスを壊して敵とケースが一緒に落ちるというのをやりたかったので作りました。

 

●OFFICE3_ST

 CAPの床のガラスを壊して敵を落とすというのをプレイヤーにやってもらいたくてCAPよりも状況が限定されたミッションを作りました。まぁ普通に頭撃ち抜いてもいいです。この状況だと光学迷彩を使うのが一番手っ取り早いのでは?って感じですね。

 AS VALを実装したのはこのミッションが最初で、AS VALが使えるようにわざわざ床のガラスを壊したときにAS VALを持った兵士も落ちてくるようにしておいたのですが、折角なので他のミッションにもAS VALを実装したのでありがたみはあんまりなくなってしまいました。

 STというミッション種別、実はDUEL2のパッケージにも入っています。

 

●AS VALについて

 本パッケージではAK47のSDと解釈して性能を設定していますが、実際には7.62mmよりも弾丸が重くて銃口初速が亜音速の銃です。口径は9mmですが、一般的な9mmパラベラムとは異なる特殊な弾丸です。一応は弾速だけ遅めにしていますが、銃口初速で運動エネルギを考えると実際にはAKの33%くらいになってしまい、MP5の半分くらいの攻撃力になってしまうので、それだとさすがにXOPSの武器として性能がアレすぎるということで前述のAK47のSD(弾速だけ遅め)という解釈に落ち着きました。モデルは腹痛氏のものを使わせていただいております。

 

●RURAL3_KT

 マップはDTOWNとRURAL2をまぜまぜして考えました。本当はGEOFRONTのURBAN部分にこういった街を作りたかったのですが、GEOFRONTのときはあまりにも面倒でURBANを乗せてしまいました。チェイテピラミッド姫路城クラスの違法建築でしたね…マップの最初のインスピレーションはMGSVTPPのバンペペ農園から得たはずだったのですが、今見ると「どこが???」って感じですね。

 奥の山岳部から別荘の屋根に移動して窓から倒すのが一番楽です。

 

●RURAL3_ST

 「よけた!?よけたっ!?」は、"機動戦士ガンダム 将軍のフセイン"…ではなく、某ハサウェイのレーンきゅんのセリフです。別に将軍だってガンダムを手に入れられるってことではありません。"Xi"(リンク先は公式の動画)、いい曲ですよね。ハサウェイで一番好きな曲です。ちなみに2番目は後述の"Tracer"で、3番目が"Möbius"(リンク先は公式の動画)です。

 「将軍保護プログラム」は米国の「証人保護プログラム」にかけています。

 KTがSTのコンテニュー版のような立ち位置になってしまいましたが、STにもところどころKTとは異なる部分があるのでKTも残しておきました。

 

●RURAL3_DE

 ふと脳内にミッション中で登場する階段の動きが浮かんだので作ってみました。割と酔うので長時間の乗車はおすすめしません。

 

●MASADAについて

 MASADAはAUGの上位互換で、HK416やXM8同様、ちょっと強すぎるあたりを狙って性能を設定してみました。ギリギリSPCには該当しないといったあたりですね。MASADAというと個人的にはココの私兵部隊が思い浮かびますね。そういえば、最近某FGOにキャスパー兄さんと同じ声の人の鯖が実装されましたね。「日本刀!?ペラペラに薄い日本刀ですよ!」とか言い出しそうな感じがします。モデルは黒猫氏のものを使わせていただいております。

 

●RURAL3_KT2

 進撃の巨人のファイナルシーズン(この動画だと映るのすごい一瞬です)を見直していて思いつきました。輸送機から工作員が飛び出すの、かっこいいですよね。"Tracer"(リンク先は公式の動画)でも流したくなります。フェンサーのメッサーがギャルセゾンから降下するところが特に好きです。実際そういった場面のつもりで作りました。

 でも、もっとこう、何とかならなかったんですかね、輸送機。…なりませんでした。私が一番苦手な表現、"写実的な表現"なので…もしかしたら印象派なのかもしれない(適当) あの輸送機は私が30分くらいでヤケクソで作った最高に適当な輸送機です。輸送機の小物がどこかに落ちていないか探している時間の方がはるかに長かったと思います。ヘリコプターの小物は割と多いんですけど、輸送機の小物となると全然なかったです。唯一見つけたのが韓国の"Ghillie In the Mist"っていう本家XOPS向けのPACKだったんですけど、著作権関連が完全に不透明なので引っ張ってこれませんでした。思えばMGS3の冒頭も輸送機のシーンからでしたね。

 「状況を開始」って元は自衛隊用語だそうですが、実際には使わず、ミリタリーモノでよく出てくる使い方は完全な誤用だとどこかで読んだ気がします。語感はすごくかっこいいんですけどね。確かに普通に考えたら"状況を開始"なんて言い出すよりも前の移動時間も作戦行動のうちに入りそうなものです。ヨルムンガンドのSR班とかパト2の柘植の部下とかが使っていましたね。別に"我々の組織"が自衛隊傘下の組織である伏線ではないです。

 敵の装備を褒めるのは攻殻機動隊SAC2045のトグサのパロディですが、ヨルムンガンドのレームさんも敵の部隊(ナイトナイン)を戦術面で褒めていましたね。

 ミッション冒頭の敵戦闘員に「編隊、降下する敵戦闘員を迎撃する!」というセリフ(実際には"レーン隊"です、リンク先は公式の動画)を言わせようかと思いましたが、どうせ伝わらないですし、特に敵の地対空装備が優れているわけでもないのでやめておきました。

 冒頭でやりたいことは粗方やりきってしまったので、ミッション自体は肝心の味方の部隊をあまり活かせない内容になってしまいました。

 

●GLOCK21について

 GLOCKにも45口径の銃があったんですね。モデルは黒猫氏のものを使わせていただいております。

 

●RURAL3_SUR

 戦闘用ロボットを強奪するミッションが作りたくて作りました。本当は戦闘用ロボットの強奪がメインではなく、何かしらプレイヤーが失敗すると戦闘用ロボットが登場するミッションで、サブ要素的に戦闘用ロボットを強奪できるミッションにするつもりでしたが、面倒でやめました。

 分かる人は分かると思いますが、"Start entry sequence."というのはヱヴァ破冒頭の仮設五号機の起動の際にベタニアベースのオペレーターが劇中で最初に言うセリフです。"At the very beginning"と相まってヱヴァ破最高のシーンだと思います。個人的に新劇で一番いいシーンはUS作戦だと思いますが、エヴァで一番好きなのはEOEの量産型のシーンです。

 よっぽど変な立ち回りをしないと起きないとは思いますが、戦闘用ロボットを操縦し始めた後にプレイヤーが死ぬとミッション失敗になります。

 山岳部に敷設されている対人地雷は腹痛氏のものを使わせていただいております。私がGARISSONに敷設した自作の地雷(笑)とは異なる素晴らしいクオリティです。テストプレイ中にも意図せず何度か踏み抜いたので、意外と踏むと思います。ただ、地雷1個あたり2本のイベントチェーンを並列に食べてしまう(プレイヤーが踏んだ場合と地雷自体が破壊された場合)のであまりぽこぽこ設置できるものでもないのですよね。地雷は腹痛氏のウェブサイト(スリリンゴの方)を眺めていたら綺麗な地雷のモデルがあったのでこのミッションに入れてみました。地雷と言えば、MGSVTPPの地雷、めちゃくちゃ踏み抜きますね…意識していないと確実に踏み抜く場所に置いてあってすごいと思います。ただ、地雷の爆発とフルトン失敗の風船の破裂の音量だけは音量設定がミスってるとしか思えない。心臓に悪くてMGSVTPPの数少ない不満です。

 

●OFFICE3_RB

 新しいミッション種別のように思われるかもしれないですが、"release the bomb"自体は大昔に作ったRURALのパッケージに入っています。詳しくはRURALかクリスマスアドオン2016を見てもらえればと思います。ただ、そのときには"release"がRE(XOPSでは人命救出)と被っているのに気づかず安直にRELとかいう適当な名前にしてしまい、今思うと気に入らないので今回はKTに倣ってRBという名前にしました。

 ミッションの内容としては、敵の流れ弾が木箱に当たると爆発するので、射線や敵の流れ弾による爆発に注意する必要があります。意外と爆発します。木箱の周囲の敵は木箱が敵の背後にない位置取りで排除するのがよいですが、腕に自信があれば貫通の心配のないハンドガンで処理してもよいかもしれません。予め建物手前のビルからPSG1で木箱の左右の敵を処理すると少しは楽です。

 木箱の後ろのガラスに当たるとガラスが砕けてガラスに固定されている風船が飛んでいきます。風船の演出は何となく思いついたのでこのミッションに入れてみました。風船の小物はnine-two氏のモデルを使わせていただいております。

 

●DTOWN2_DEF

 "OFFICE3_RB"で風船の小物を触っていたら先にミッションの中身が頭の中で完全に出来上がりました。マップ自体はどれでもよかったというパターンです。

 プレイヤーが風船に違和感を覚えずに放置すると幹部が風船爆弾に近づいたタイミングでドカーンです。風船爆弾のギミック自体はほぼ地雷なのですが、プレイヤーが発砲で風船爆弾を処理した場合、幹部が近づいて風船爆弾が炸裂する場合、幹部が検知される直前にプレイヤーが風船爆弾を処理したが間に合わず幹部が巻き込まれる場合…といった具合で意外と想定する場面が多く、見た目よりも面倒なギミックです。まぁプレイヤーが自分で処理した風船爆弾に巻き込まれたり幹部が近づいたことによる風船爆発に一緒に巻き込まれたりする場合も考えられますが。

 本当は演説が始まる場面までミッションが続いていたのですが、風船爆弾を処理した後の幹部の移動時間が冗長すぎて無駄にプレイヤーの緊張を煽るかと考えてやめました。また、プレイヤーが無事に風船爆弾を爆破処理した際、仲間の戦闘員が巻き込まれて死亡する可能性があったので、何かしら無線の人からのコメントを入れたほうがいいかなーと思って爆破処理の際に必ず仲間の戦闘員が巻き込まれて死亡するような仕様にしたこともありました。無線の人に『犠牲になった戦闘員の霊には哀悼の意を表するが…なに、犠牲というものはつきものだ。この件については事故としてこっちで処理しておく、気にするな』みたいなフォローをしてもらって後味の悪いミッションにするつもりでしたが、交戦があるわけでもないので仲間の戦闘員の体力を上げておけばいいなと気づいたのでこのシチュエーションはやめました。この部分は「巻き添えの方々の霊には哀悼の意を表する」というガウマンのセリフのパロディです。味方の戦闘員の死があっさりと事故処理されるのは攻殻機動隊(原作1巻)の風味です。

 我々の組織の幹部が仲間を"同志"と呼んでいるのは別に"我々の組織"がロシア系の組織である伏線ではないです。

 

●階段のテクスチャについて

 大変お恥ずかしい話なのですが、2021年8月30日夕方、DTOWN2のマップをいじっている途中でXOPSの階段のテクスチャに上下の向きがあるのに気づきました。めちゃくちゃな衝撃だった…これまで何となく縞模様になってて階段っぽく見えるんだなーと思ったのですが、影の向きが自然に見える方向と不自然に見える方向があるのに気づきました。階段のテクスチャにはどうやら上下の向きがあるみたいです…ずっととりあえず縦に縞が出来ている向きにしておけばいいと思っていました。この調子だと何なら階段の段数が自然に見えるところでテクスチャを切ってるアドオン制作者の方もいそうですね。私はこれまでそんなこと気にしたことすらなかった(私は本来は窓や棚のテクスチャなどは本来の逆の向きであっても自分が納得できれば客観的に間違っていてもその向きでいいという方針、今回に限ってはそっちの方が間違いなく自然だということに気づいてしまったし納得もした)ので、まぁいざ見直すと至るところに上下逆の階段が多数あって対応に苦慮しました。

 ついでにその過程でUV反転の意味を理解しました。「分かったわ!UV反転の意味!」という感じです。…別にそこにいてくれるわけでも私を見ていてくれるわけでもないですが、こいつぁ便利だ。ということで、本パッケージに入っているbd1ファイル約90個、ほぼ全てを確認して全ての階段を直しました。簡単に書きましたが、"あの"MINEのBlenderでのシャドウベイクによるハイブリッド小物ほどではないにしろ、今まででも相当面倒な作業であったことは確かです。結果的に対応時現在で89個中68個のbd1を書き換え、対応に3時間半ほどかかりました。ただ、ベイクという特性上、分離パッケージの"ISLAND_KT Baked"は対応しきれませんでした。そもそも分離パッケージに入ってる時点でアプデする予定がないので詰んでいますけれども。本パッケージ以外の既存のパッケージやプロジェクトについては現状では対応しないものとします。今後アップデートの機会があれば対応するかもしれないですが。

 

●ISLAND_SUR

 先にミッションの中身が頭の中にあったので特にマップはどれでもよかったシリーズです。前回の"URBAN4_KT2"で目標を殺さずにダメージを与えるというミッションはやりましたが、今回はそれの尋問版です。帰りに敵を出現させて開始地点にプレイヤーを帰投させてもよかったのですが、面倒だったのでやめました。

 

●URBAN2_DE

 マップのお散歩ミッションです。でも意外と難しい。「・・・5年ぶりのURBAN2、か」はシンエヴァ冒頭のリツコのセリフのパロディです。痛ましいどころか大改築で最高の仕上がりになっています。

 KTに実装してある河川に入った際にHPが削られるのはみかんさん発案で、(クソ、体力を持っていかれそうだ(物理) )といった具合に河川にDIPしていると1秒ごとにHPが10だけ削られます。当初はDEにのみ実装でCAPにはない演出だったのですが、CAPに何とか押し込むことができ、その逆にDEでは地下を作った都合でプレイヤーの位置検出のイベントがあまりにも複雑になって実装を断念しました。当初はDEで「寒いな(寒いから河川に入るとCAPとは異なりダメージを受ける)」という旨のセリフと共に寒そうな風の追加音声が鳴る演出だったのですが、結果的には逆に「温かいな(温かいから河川に入ってもCAPとは異なりダメージは受けない)」という旨のセリフを入れることになり、本当に真逆になってしまいました。

 パソコンがある部屋番号、プレイヤーの開始地点になりうる部屋番号、エレベーターがある部屋番号は全てばらけるようにかなり入念に調整しており、これらの情報は目標のコンピュータの画面にも表示されているので攻略の参考になるかもしれません。ゲイツホテルはおそらくFORTで登場したゲイツショップの系列店なんでしょうね。GIMPのファイルもそこから流用しました。部屋番号やホテルの看板はハイブリッド小物でドアの上に付けているわけですが、作るのがなかなか面倒でしたね。UVマッピングの嵐です。部屋番号を付けたのはDEが先だったのですが、思いのほかいい感じの代物になったので、CAPにも導入しました。その過程で読み込む追加小物を1個削らなくてはいけなくなりました。DEの閉まっているドアは全てハイブリッド小物で、CAPの閉まっているドアも当初は全てハイブリッド小物だったのですが、この都合でCAPは全て個別の小物になりました。

 A303号室の客とB202号室の客が噂をしているのはCAPの一件です。この2人同士が電話をしあっているわけではないですが、2人とも消されないか心配ですね。勘の鋭い方はお気づきだと思いますが、事件現場のA304号室の中にCAPでの取引相手(と同じスキンの刑事)がいたのは、CAPでの取引相手が警察から社長の会社に内偵していた人間であったことを示唆しています。噂をしている2人が"拳銃自殺"と断定しているので、きっと社長の勢力からの圧力か何かで裏切者の死は拳銃自殺として公表、内偵していた刑事(取引相手)は蒸発…といった具合で処理されたものの、仲間の刑事が消えて納得のいかない刑事たちが現場に来ているとかそんな場面を想定しています。B202号室の方が工事により隠し通路の部屋になってしまったのは社長の勢力による隠蔽工作の一種(現場を保存しないという意味)です。…何か作品のクオリティを上げる要素があるとすれば、やはり徹底的なこだわりと舞台設定だと思います。

 

●URBAN2_CAP

 コメント必要でしょうか?これ。もうあまりにも激熱展開ですよね。なにせURBAN2といえば私が本格的にアドオンを作り始めた記念すべき傑作マップです。その中でも一番最初に作った"URBAN2_CAP"のリメイクです。熱いにもほどがある。あのパッケージ、今やっても楽しいのでもしかしたら何か普遍的なおもしろさがあるのかもしれない。"OpenXOPS_yosi-mikan_Concept"の100個目のミッションとしてまさにふさわしいミッションだと思います。

 思えば、自分のメンタルの限界に近いあたりから限界を超えたあたりが一番いいマップを作れるような気がします。URBAN2しかり、SNOW BASE2しかり、MINEしかり、URBAN2(2021)しかり…あれ?私結構な頻度で追い詰められてますね。マップ名もURBAN2(2021)にするべきか悩みましたが、ここは敢えてそのままにしました。どうしてもマップの識別が必要な場合はURBAN2(2021)という表記もいいかもしれないですね。事実、"URBAN2_CAP"というミッションは本家XOPS向けで既に存在しているわけですが、本パッケージの同梱のマニュアルの通り、ミッションの識別が必要な場合は#BYFOXを最後に付けるという命名則なので、今回のミッションは"URBAN2_CAP #BYFOX"とでも呼ぶべきですね。Twitterで書くとハッシュタグになっちゃいそう。

 100個目のミッションをどうしようかと考えていた際、URBAN2のリメイクを思いついた瞬間にこれしかないと思いました。ミッション数98個で公開でもよかったんですけど、今回98個で公開したら次回は確実に100を超えてしまうので、「ちょうどミッション100個収録!」という謳い文句は永遠にできなくなってしまうんですよね。それに98個できていたのが9月3日現在でして、あと3週間もあれば新しいマップとミッション2つくらいできそうだなと思って制作に着手しました。…といっても、URBAN2のbd1はその24時間以内に完成してしまいましたし、"URBAN2_DE"と"URBAN2_CAP"の骨幹もその12時間後には完成してしまいました。こればっかりはモチベーションが成せる業ですね…いつでもできるものではないです。ありがとうAnother Rampageの先行配信(ずっと聞いてた)。やっぱりストレイしか勝たん。TSSもよかったですね。

 オリジナルマップとしてはMINEに並ぶクラスの傑作に仕上がりました。マップとしては、今見ると2016年のURBAN2がごちゃごちゃして見えたので、今回はあっさりを徹底しました。今の私が屋内と屋外が両方あるマップを作るとテクスチャが枯渇するというのもありますし、他のビル群は気候変動で倒壊してしまったということで。

 ミッションの方もこのミッションはかなり力を入れて作ってあるのが伝わるかと思います。相当に細かいところまで作り込みました。例えば、パソコンの監視カメラの映像は裏切者を粛正すると裏切者が死体に切り替わります。ちゃんと窓も割れています。まぁそんな具合でこれでもかというほど演出を詰め込んでいます。ご覧ください、"DUEL2_RE"や"BUILDING2_DEF"や"BUILDING2_DEMO"や"FACTORY_DEMO"に並ぶ長さのイベントチェーンです。というか、"BUILDING2_DEMO"も裏切者を粛正するミッションですが、無意識に"URBAN2_CAP"を意識していたんでしょうね。裏切者をURBANで粛正するのはデフォルトミッションの系譜でしょう。

 ミッションとしては大した難易度ではないと思いますので、コンテニュー版の提供の予定はありません。M93 HP NBB SDは縛りアイテムです。セルフ攻略動画の前半を撮影している最中は、実空間でちょうど天井から頭とモニタの中間にクモが降りてきて焦ってクソエイムになっていますが(このボロ屋敷め…)。

 

"URBAN2_CAP"のXACの画面の様子

 

 収録するマップもちょうど25個目なので、最終的にすっごくいいミッション数とマップ数に仕上がって個人的に大満足です。

 取引相手の寄り道というのは特に意味はありません。強いて言うならイベントの都合上そうするしかありませんでした。伏線ではなく苦肉の策です。「仕方がなかった、ってやつだ」という感じです。具体的には、取引相手が部屋から出てくるのはおかしい(パソコンの監視カメラに映っていないので)し、かといって部屋の外から歩き出すと歩きに変更が間に合わず、静止して待っているのがバレちゃうんですよね…取引の部屋を3階に変えればいいんですけど、それだとパロディの意味がありませんからね。屋上の方でタバコでも吸ってたということにしてください…(階段の上だけCAPで通れる可能性がないのに透明ブロックで塞いでいるのはそういう理由です)。

 濃霧の中で取引相手を尾行・追尾・追跡することになりますが、こういった場合ってTrail,Chase,Track,Shadowのどれが適当なんでしょう。ぱっと思いつくだけでそれだけあるわけですから、もっと別な言葉があるかもしれません。MGSVTPPで「ロングトレイル」というミッションがあったのを思い出したので今回はTRAILを選びました。

 冒頭の映像カーテンというのは攻殻の用語です。本当は窓に使われるものなんですけど、映像ドアというのもダサかったので、技術は同じということで敢えて映像カーテンのままにしました。映像カーテンが中和された後のドアのテクスチャですが、作るのが相当難しかったです。指定した点から徐々に周囲に向かって同心円状に透明度が下がるようにしたかったのですが、GIMPのグラデーション機能でもそんなことはできないようで、どうやったかというと、同心円をProcessingでたくさん描いて、それを元にGIMPで領域抽出して5%ずつ透明度が異なるドアの画像を20枚ほど重ねています。ヒェ…結果的にドット抜けのような部分が多数残ってしまいましたが、無理やり中和した感じがあって逆に表現としてアリなような気がしています。とんでもなく細かい部分ですが、冒頭の監視カメラの映像に侵入するシーンでは、なんと窓越しにプレイヤーが映り込んでいます。おそらく通常の解像度では確認が難しいので、かなり大きい解像度に解像度を変更して確認してみてください。攻殻の用語繋がりですが、時々登場する"看護用ロボット"はデコットに相当するんでしょうね。冒頭の同じ場面で裏切者やケース、取引相手を自動解析する表示が一瞬だけ出ますが、これも攻殻のパロディです。具体的にはイノセンスでのバトーさんの眠らない目のオートアナライズ機能をイメージしています。イノセンス、公開は2004年(XOPSとほぼ同時期!)なんですけど、その時代にあのCGはやばすぎますよね。オーパーツすぎる。推定予算10億円だとかどこかで見た覚えがあります。取引相手の"UNKNOWN"という表示はハサウェイの終盤のクスィーVSペーネロペーのシーン(「やってみせろよ、マフティー!(リンク先は公式の動画)」「なんとでもなるはずだ!」「ガンダムだと!?」"主題歌[Alexandros]「閃光」"…とは劇中では続きませんが、劇中の「やってみせろよ、マフティー!」のあたりのシーンで映っています、今だとCMの方が構文になるほど有名ですね…)でクスィーのUIにペーネロペーが"UNKNOWN"と表示されているのがかっこよくてわざわざ"UNKNOWN"という単語を選びました。この場面以外にも、"TARGET"という表示がチカチカ出たりしますが、これはCAPでのみプレイヤーがHMDとまではいかなくとも、ホロレンズの超小型版のようなサングラスをかけている舞台設定(特にプレイヤーの頭部のモデルが変化しているわけではありません)で、この場面の"UNKNOWN"の表示や"TARGET"の表示はそのデバイスによる仮想空間での表示を実空間(ここでの実空間は要するにゲーム内)に重畳して表示させているという風な演出になっています。主人公の黒服が見ているパソコンの画面にはこのピンクの文字が出ているわけではないというクソ面倒かつ非効率な舞台設定ですね。まぁ攻殻の原作の作者による補足なんてここで書く比ではないですし、これくらい面倒な設定はいいでしょう。原作の攻殻2巻(実質3巻目)なんて情報量の洪水すぎて3回読んでようやく話の大筋が掴めるくらいの代物ですし。

 

ドアの映像カーテンの中和と窓越しにプレイヤーが映り込んでいる様子

 

映像カーテン中和後のドアのテクスチャの生成に用いた図

 

 CAPでは、メッセージを表示されてもその場ですぐに実行できないタスクにはそのタスクが達成されるまで画面左上にアナウンスを出すようにしてみました。具体的には、"B201号室に向かう"というタスクと"社長を殺害したうえでケースを回収して開始地点のA304号室に帰投する"というタスクです。5年前のミッションもそうなのですが、求められるタスクが複雑だとプレイヤーも何をすればいいのか忘れることが割とあると思うので、その対策です。ブリーフィングも"どれだけ情報を詰め込めるかコンテスト"で金賞を狙えそうな勢いですからね…

 実は、今回のVol.07のプロモーション画像(このページの最初に貼ったやつ)は"Xops yosi's addon URBAN2 Vol.01"のプロモーション画像と同じ画角です。…この画像のオリジナルを発掘するの、相当大変でした。プロモーション画像には人を映さず、ミッションリストでは人が映っている画像を選ぶ、という私の方針があるのですが、今回ばかりは敢えて入れました。

 

Xops yosi's addon URBAN2 Vol.01 プロモーション画像

 

●M39 Hush Puppy について

 既存のミッション("WAREHOUSE5_KT Easy"と"WAREHOUSE5_DE2 Easy"と"BUILDING2_DEMO")に突っ込みました。どっからどう見ても後付け演出です。とにかく入れたくなったので入れました。…といっても、既存のミッションに入れたところで、ここの制作秘話を読みでもしない限りは気づいてもらえないと思うので、"URBAN2_CAP"と"URBAN2_DE"にも強引に突っ込んでおきました。CAPでは社長の目の前に、DEではそれぞれのパソコンの横に置いてあります。いずれも特に目立った活躍はなく、物好き向けの縛りプレイ武器となっています。本当はM39を最初に導入したのは"URBAN2_DE"だったのですが、特に目立った活躍がないのがアレで既存のミッションにも導入した、という経緯だったりします。

 "WAREHOUSE5_KT Easy"でのM93の解説はMGS3のパロディです。MGS3にもMk22が登場しますが、それをパロったのではなく、"Colt Government M1911"のカスタムモデルを褒め倒すネイキッド・スネークのかの有名な早口解説の場面をパロっています。本物の銃としての性能は"WAREHOUSE5_KT Easy"での解説の通りで、サイレンサー装着時にスライドをロックしてノンブローバック(NBB; Non Blow Back)にすることで射撃時の機械的な動作音を極力小さくすることで静音性を高めているというものです。つまり、射撃時の人の操作は本当にエアコキみたいな感じで一発一発コッキングすることになります。ゲーム内での表示を略さないと"S&W M39 Hush Puppy Non Blow Back SD"となります。ただ、いくら静音性に優れていても、残念ながらXOPSでは発砲の際の静音性なんて(オンラインでもない限り)タクティカルアドバンテージは特にありません。なんだかラノベみたいな話ですね。

 固定スライドというと実銃よりも東京マルイのMk23をはじめとしたガスガンで馴染み深い方の方が多いかもしれないですね。文章だと固定スライドがどうにも分からんという方はこちらの動画を見てもらえればよいと思います。射撃の際にスライドが前後していないのが分かります。

 実際の性能をXOPSの攻撃力に落とし込むと至近距離でも頭部に2発叩き込まないと死なない感じだったので、そこは思い切って主人公補正をかけました。結果的にスコープの付いていない狙撃銃またはめっちゃ精度のいいスラッグ弾みたいになりました。ヒットアンドアウェイが基本的な戦法になりそうですね。武器として強いというよりは、使っていて楽しい武器だと思います。具体的な攻撃力としては、XOPS上の距離で100離れた地点からHP120の敵をHS1発で倒せるように調整してあります。まさに"ハッシュパピー"ですね。サイレンサーなしやSDは主人公補正のない普通の拳銃に設定してあります。M39 HP NBBはちょっとくどいかなと思って作りませんでした。機構上は可能でしょうし、MGSVTPPでは一応そんな状態にもできますが、そもそも発砲音が大きいのにスライドロックなんてやっても意味ないですからね。

 モデルは腹痛氏のものを使わせていただいております。ちなみに音声(ka.wavの後のコッキングの方)はネットにいい素材が落ちていなかったので、私が手持ちの東京マルイのUSP(フルサイズ)のガスブロを実空間において手でカチャカチャとコッキングしたのをスマホで実際に録音しました。なるほど、どっからどう聞いてもガスブロの音なわけだ。音声素材を作ったのは記憶にある限り初めてですね。割と楽しかったです。

 

●公開時期について

 今回は例年よりも1ヵ月早かったわけですが、これは10月→3月が5ヵ月で3月→10月は7ヵ月というペースもちょっと微妙だなぁと感じていたので、今回は10月の作業時間の確保がほぼ見込めないため、今回で調整してみました。今後はこれで行きます。

 

●近況報告

 近況報告はこちらのページにまとめました。お時間に余裕のある方はご覧ください。

 

●おわりに

 今回で"OpenXOPS_yosi-mikan_Concept"は収録ミッション数100を迎えました。いつも攻略してくださるxopsplayerの皆様に感謝いたします。毎度のことですが、お忙しい中、急なお願いにも対応してくださり、ミッションがいくつかできる度に高頻度で送りつけられるパッケージに丁寧にコメントしてくださるみかんさんに深く感謝いたします。

Last Update

2023/12/25 00:00

・当ウェブサイトが10周年を迎えました

・お知らせを更新しました

・"Xops yosi's Candy Vol.07"を公開しました

・"OXYMICON Vol.10"を公開しました。

・ジョン剣道ゥ氏(旧: 近条氏)の作品を再配布しました

・"IA addon Vol.6 Rel.2"をIAが公開しました

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